インビザライン治療を検討されている方で、出っ歯を治療したいという方は多いのではないでしょうか。

インビザライン治療で、出っ歯を治療することは可能です。

しかしインビザラインにも、得意な治療と不得意な治療があります。

どのような出っ歯であればインビザラインで治療が可能なのでしょうか。

インビザラインと出っ歯の治療について解説します。

■出っ歯とは

◎正しくは上顎前突

出っ歯は正しくは「上顎前突」といいます。

上顎前突とは下の顎より上の顎が前に出ている状態の歯並びを指します。

一番バランスが良い歯並びとされているのは、下の歯より上の歯が数ミリ前に出ている状態です。

出っ歯はこれよりも上の歯がさらに前に出ているため、口を閉じていても口元が突き出て見えてしまうこともあります。

◎上顎前突の種類

出っ歯の種類は2種類あり、歯だけが前に出ている歯性の上顎前突と、骨自体が前に出ている骨格性の上顎前突があります。

歯性の上顎前突は、歯が前に傾いている状態のものと考えると良いでしょう。

■インビザラインの歯の動かし方

◎鍵は歯根膜

インビザラインに限らず歯を移動させる矯正方法の鍵は歯根膜です。

歯根膜は歯根と歯槽骨の間にある弾性の膜です。

歯根膜が押されると、押された方の歯槽骨は吸収を始め、引っ張られた方の歯根膜は増生を始めます。

歯根膜は常に一定の厚みを保とうとする特徴があります。

一定の厚みを保つために、歯槽骨の吸収と増生を繰り返します。

矯正治療ではこの特性を生かして歯を移動します。

インプラントにはこの歯根膜がないため、力をかけても歯は移動しません。

インビザラインでは、動かしたい方向に隙間が空いたマウスピースをつけ、歯に力をかけます。

歯が移動するとまた新しく隙間の空いたマウスピースをつけ、少しずつ歯を動かしていく仕組みです。

◎歯体移動が得意

マウスピース矯正の歯の動かし方は歯体移動が主体となります。

そのため、強い回転運動などは得意ではありません。

また多数歯抜歯を必要とするような症例も、歯が倒れ込んできてしまうため苦手としています。

歯を水平に動かすような動きが多い矯正方法は得意です。

◎軽度〜中等度の症例が得意

インビザラインは経度～中等度の症例が得意です。

あまり重度のものはワイヤー矯正の適応症例となります。

■インビザラインと出っ歯

◎抜歯が必要な出っ歯はワイヤー矯正がおすすめ

出っ歯は前歯の治療ですが、奥歯に隙間がなく正しい位置に移動できない場合は、抜歯をして小臼歯部などに隙間を作る必要があります。

1本程度であればマウスピース矯正でも治療が可能なこともありますが、大きく隙間が空くケースではワイヤー矯正の方がおすすめの場合があります。

しかしワイヤー矯正と違って、マウスピース矯正では奥歯の位置も動かすことができるため、歯を抜かずに歯を並べられる可能性は、口腔内の状態によって高くなることがあります。

◎骨格性の出っ歯は外科的矯正の適応

骨格性の出っ歯の場合はマウスピース矯正、ワイヤー矯正では治療ができません。

そのため外科的矯正の適応症例となります。

お子さんの場合は永久歯の交換期と、顎の成長を利用して治療が可能なことがあります。

しかし、成人の方の場合は顎の成長が止まっているため、外科的な方法でないと治療できないので注意が必要です

【歯性の軽度〜中等度の出っ歯はインビザラインで】

歯が原因の出っ歯で、軽度～中等度の出っ歯はインビザラインでの治療が可能です。

しかし重度のものや強い回転をともなうもの、多数歯抜歯をともなうものなどはワイヤー矯正の方がきれいに矯正できる可能性があります。

無理にマウスピース矯正を選択してしまうと、後戻りなどの原因になるため向いている治療法を選択することが大切です。

当院では出っ歯のインビザライン治療を行っています。

矯正治療をお考えの方はぜひ1度当院にご相談ください。