歯周病は、歯を失う二大原因のうちの一つです。
歯周病になると、歯肉に炎症が起こるだけでなく、歯槽骨が吸収しはじめ、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
そのように歯が抜けてしまった時に必要となるのが補綴治療と呼ばれるものです。
歯周病の進行についてと、補綴治療の中でも機能的に優れているインプラント治療について解説します。
目次
■歯周病とは
◎炎症性の疾患
歯周病は炎症性の疾患です。
プラーク(歯垢)中に含まれる細菌が、歯周ポケットという歯肉と歯の隙間から入り込み、炎症を起こします。
これらの菌は「嫌気性菌」と呼ばれる、空気のある環境を嫌う菌です。
そのため、これらの菌は、歯周ポケットのより奥深くへと進んでいきます。
それに伴い、歯肉よりさらに奥深くにある歯根膜や、歯槽骨といった組織に炎症が起こります。
歯槽骨は炎症が起こると吸収する(溶けてなくなっていく)という性質があるため、治療を行わないで進行するままにしておくと、歯が揺れ動き最終的に抜け落ちてしまいます。
歯周病はむし歯と並び「歯を失う二大原因」のうちの一つです。
歯周病による歯の喪失を防ぐには、きちんとしたセルフケアとプロフェッショナルケアがとても重要です。
■欠損歯を補う治療とは?
◎治癒を待つ
もし、歯周病が進行し、歯が抜け落ちてしまったら、まずは抜け落ちた部分の治癒を待ちます。
抜け落ちた後の歯槽骨は、ある程度までは回復します。
歯槽骨の凹凸がきれいになり、歯肉も治癒した後、補綴治療を開始します。
また、歯周病が起こっている歯は一本だけとは限らないため、お口の中に歯周病がある方は、その治療を行ってから補綴治療を行います。
◎補綴治療を行う
補綴治療には入れ歯、ブリッジ、インプラントの3種類があります。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、インプラント治療は、審美面と機能面で特に優れた治療法です。
■インプラント治療とは
◎左右の歯を傷つけない補綴治療
部分入れ歯は左右の歯に掛け金をかけて、喪失歯部分を補います。
また、ブリッジも左右の歯を削り、そこに橋を渡すようにして喪失歯部分を補います。
どちらの治療法も左右の歯に負担がかかりやすくなります。
インプラントは歯槽骨に人工歯根という根にあたる部分を埋入し、その上に人工歯をかぶせるため、左右の歯への負担がありません。
◎噛む機能が高い
入れ歯やブリッジは、天然歯と比べ噛む力が小さくなってしまいがちです。
入れ歯に比べて違和感なく使えるブリッジであっても、その噛む力は天然歯の6~7割程度といわれています。
それに対し、インプラントは天然歯とほとんど変わらない力で噛むことができます。
◎見た目もきれい!
インプラントの人工歯部分は、患者様一人ひとりに合うものをご選択いただけます。
色だけでなく形も選ぶことができるため、とても審美的で自然な仕上がりになります。
入れ歯やブリッジと違い、そこが補綴物であるとはほとんど気づかれることはないでしょう。
◎発音、構音もスムーズ
インプラントは天然歯と変わらない感覚で使用できるため、発音、構音の障害となることもありません。
【歯周病で歯が抜け落ちてしまった方にはインプラント治療がおすすめ】
歯周病は進行すると歯が抜け落ちてしまう疾患です。
歯周病を防ぐにはまず、普段の歯磨きが重要になります。
しかし、歯周病の進行やお手入れの度合いはその方一人ひとりによって異なります。
そのため、お手入れをしていても、歯周病が進行し、歯が抜け落ちてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は左右の歯に負担をかけないインプラント治療がおすすめです。